昼からの授業に向かう途中、自転車に乗りながら信号待ちをしていると隣に並んだ中高年の欧州人男性がこちらに顔を向けて挨拶をしてきた。
こちらも挨拶を返すと国籍を聞いてきたので日本人であると伝えると、ちょっと話したい事があると言う。
あやしくなりはべりぬ、と心の中で思いながらも自転車に乗ったまま横に並んだ。
するとその男性は肩から提げていた鞄からパンフレットを取り出して差し出した。表には、いつか不安が止む日は来るのでしょうか、という文句と悲しみにくれる女性の横顔の絵があり、ひっくり返して裏を見るとやはり左下に「JW」の文字ロゴがある。
Jehovah's Witnesses、エホバの証人である。
その男はパンフレットにあるリンクからウェブサイトにいける、日本語版もあるから是非見てくれと言う。
私はありがとうと述べてそのパンフレットをジャケットの内ポケットにしまい、別れを告げて去った。
エホバの証人と言えば今まで三回ほど寮の郵便受けにパンフレットや冊子が入っていたことがある。
それらのパンフレットや冊子は何と日本語版であった。
同じ寮に住むスペイン人留学生のもとにもやはりスペイン語版が送られてきたらしい。
それらの印刷物は郵便で送られたものではなく、直接寮の郵便受けに投函されたものである。
ドイツ語版は送られてこないことから、海外からの留学生を標的にしていることがわかる。
各寮の郵便受けにはその棟に住む学生の名簿が貼られているのでその中から外国人の名を探し当ててその国に対応した言語の印刷物を入れているのだろうか。
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