ハイデルベルクの隠れ名所、聖なる山「ハイリゲンベルク」探検記

2019年5月31日金曜日

ドイツ留学 探検記

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 ドイツでもっとも美しい街の一つとして名高いハイデルベルク。


 美しき城と川と橋と旧市街、そしてドイツ最古の大学ハイデルベルク大学があることで有名な街です。




 この石橋を自転車で通るとガタガタガタガ夕となって、なかなか愉快です。


 旧市街にあるハイデルベルク大学中央図書館は、なんと週七で深夜1時まで空いています。

 
さて、そんなハイデルベルクは見どころが旧市街地区(Altstadt)にうまくまとまっていて、観光しやすい街であるといえます。

 観光案内サイトなどでもハイデルベルクの観光として定番なのはビスマルク広場から真っ直ぐと旧市街の真ん中を城の方へ伸びていく目抜き通り(Hauptstraße)でしょう。

 しかし、そんなありきたりな、古くて美しい街並みを楽しむ系の観光に飽き足らない方のために、この記事では、定番スポットではなく、ハイデルベルク大学に一年間交換留学をした私だからこそおすすめできる、知る人ぞ知る隠れ名所をご紹介いたします。

 それはずばり「Heiligenberg (ハイリゲンベルク)」という、ネッカー川を挟んでハイデルベルク旧市街の北側にある小さな山です。


 一見なんの変哲もない、森に囲まれたただの丘のような山にみえます。

 しかし、その森の中には、紀元前4世紀ごろケルト人が築いた要塞跡、誰がいつ何のために掘ったのか不明な直径3、4メートル深さ55メートルの古い穴、10世紀に建てられた修道院の廃墟、古代ローマ人が建てたマーキュリー神殿の跡、ナチスドイツ時代に造られた巨大な石造りの野外劇場などなど、冒険心を掻き立てる様々な秘所が隠されているのです。


いざ、哲学者の道へ


 まずは、川岸北側からハイリゲンベルクの麓の方にある哲学者の道(Philosophenweg)を目指そう。


 ネッカー川北側のハイリゲンベルク麓からずっと伸びるこの哲学者の道からは城と橋と旧市街が一望できる。下の写真もそこから撮ったものである。


 さて、多くの観光情報サイトではここで情報が終わる。しかし我々はそのままこの山の上を目指す。というわけで、ここからは探検記である。2018年5月26日に私は同じくハイデルベルク大学に留学中であったたいら先輩とこの山を訪れた。


森の中へ




 まずはこの地図を参考に、Stephanklosterという修道院跡を目指して登ろう。


 道は一つではなく、いくつかある。我々は地図を見ないで適当に登ったが、Google地図にいくつも道が表示されているので心配な方は見ながら登ると良いだろう。


 登っていると、途中でこのような解説看板が立っていたりする。この看板にはこの地に住んでいたケルト人のことについて書かれている。ドイツ語で書かれていて、不親切にも英語翻訳はないので、ぜひドイツ語を勉強してから登ると良いだろう。


石塔、修道院廃墟、不思議な穴



 Stephanklosterに着いたら、まず石塔が目に入るだろう。19世紀後半に建てられたこの石塔、入場料は無料である。



 ここから見下ろすハイデルベルクの街並みもなかなかのものである。

 十分堪能したら、次はいよいよ修道院「Stephankloster」の跡である。





 まるでドラゴンクエストに出てきそうな場所である。11世紀ごろに建てられた修道院の跡であるらしい。

 この他にも近くにHeidenlochと呼ばれる、直径3、4メートル深さ55メートルの古い穴がある。穴とはいっても屋根付きの建物と転落防止の網で守られている。その穴は誰がいつ何のために掘ったのか不明であるらしい。ロマンがある。


ナチスドイツ時代の集会場


 さて、まだまだこの山の見どころは味わい尽くしていない。Stephanklosterからさらに山の上を目指して歩く。


 すると、山の中になんと巨大な石造りの野外劇場「Thingstätte」が現れる。


 ナチスドイツ時代に集会場として建てられたという。このような集会場がドイツ各地に建てられたらしい。詳しくはWikipediaで「Thingspiele」と調べて欲しい。


 ここでライブをやったらさぞかし素晴らしいことだろう、と思った。しかし市内からの交通の便は非常に悪い。


古代ローマの神殿跡と修道院廃墟


 さて、いよいよ頂上である。そこで待ち受けているのが、11世紀に建てられて16世紀に放棄された修道院「Michaelskloster」の廃墟である。


 上の写真は下の石塔の上から撮った。



 




 山奥の誰もいないところでゆっくりと人知れず朽ちていくこの修道院は実に深い味わいがある。

 この修道院が建つ前にも、このハイリゲンベルク頂上の地には遥か昔ケルト人の時代から何かしらの建造物が建っていたらしい。


 古代ローマ人はここにマーキュリーの神殿を建てたらしい。その遺構が上の写真である。

 というわけで我々はこのマーキュリー神殿跡にて2018年の初詣をした。




おわり


 ドイツ語で聖なる山を意味するハイリゲンベルクは、古くケルト人の時代から特別な場所であったらしい。

 そんな、見どころ盛りだくさんの特別な山であるが、観光客にはあまり知られていないようである。

 城と橋と旧市街も美しいが、山の森の中にもこんな素晴らしいところがあるので、ぜひ興味があったらハイデルベルクを訪れた際にはハイリゲンベルクを冒険しよう。





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